2重根号(数と式)【数学の部屋|高校数学の解説】

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「2重根号」です!

もくじ

2重根号とは?

図1

【図1】を見てください。{ \sqrt{ 5 + 2\sqrt{6}} } という式がありますね。この式のように、ルートの中に再びルートがあるもの2重根号(にじゅうこんごう)といいます。

そして、2重根号は { \sqrt{ 5 + 2\sqrt{6}} = \sqrt{3} + \sqrt{2} } のように、外側のルートを外すことができます(これを2重根号を外すということにしましょう)。

それでは、どのようにして2重根号を外すのか、具体的に見ていくことにしましょう。

 

2重根号の外し方

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図2

【図2】を見てください。この公式を使えば、2重根号を外すことが出来ます。この後に具体的な例で使い方を紹介していきますが、簡単に説明しておくと{ \sqrt{ 〇 \pm 2 \sqrt{△} } } という2重根号は、「和が〇、積が△となる2つの数」を探して、それらを「大きい方、小さい方」の順にルートの中に当てはめるとで外すことが出来ます。

 

例題

それでは例題を解いてみましょう。自力で解けそうな人はやってみてください。

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例 (1) の解説

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図3

【図3】を見てください。まず、公式によれば「和が {5} 、積が {6} となる2つの数」を探せばよく、「{3}{2}」が見つかります。次に{3} (大きい方)、{2} (小さい方) の順番にルートの中に当てはめれば2重根号が外れます。理解できましたか?

 

例 (2) の解説

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図4

【図4】を見てください。(1)と同じように考えると「和が {6}、積が {8} となる2つの数」を探せばよく、「{ 4 }{2}」が見つかります。次に、大きい方から順番にルートの中に当てはめると2重根号が外れます。もちろん、{ \sqrt{4} =  2 } ですね!

 

例 (3) の解説

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図5

【図5】を見てください。(3)は「和が {7}、積が {40} となる2つの数」を探す、と考えてはいけません!公式をよく見てください。ルートの前に「{2}がついていないと、この公式は使えません!そこで、この場合は { \sqrt{40} = 2\sqrt{10} } と変形することで、公式が使える形に変形します。

 

例 (4) の解説

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図6

【図6】を見てください。(4)はルートの前に「{6}」がついています。ルートの前は「{2}」でなければならないので、少し変わっていますが、{ 6\sqrt{3} = 2 \times 3\sqrt{3} = 2\sqrt{27} } と変形して、ルートの前を「{2}」にします。

 

例 (5) の解説

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図7

【図7】を見てください。(5)も同じように、ルートの前が「{2}」になっていません。ところが、(3)や(4)のような変形ができません。このときは、無理やり2倍してルートの前に「{2}」を作ります。もちろん、勝手に2倍してしまっては式の意味が変わってしまいますので、2で割っておきます( { 1 = \dfrac{2}{2} } と表せるのと同じです)。最後に有理化しておくのを忘れずに。

 

以上で例題の解説を終わります。何度も繰り返し解いてマスターしてください。ちなみに、この例題に出てきたものが2重根号の外し方の全パターンになりますので、これ以外の2重根号は外すことは出来ません。

 

 

公式の証明

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図8

最後に、公式の証明を紹介します。【図8】を見てください。公式を式で表すと、「 { a \gt b} のとき { \sqrt{ a+b \pm 2\sqrt{ab} } = \sqrt{a} \pm \sqrt{b} } 」となりますので、これを証明します。

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図9

【図9】を見てください。式を追っていけば理解できると思いますが、1つだけ補足しておきます。

最後に両辺のルートをとる部分がありますが、右辺は正確には { | \sqrt{a} \pm \sqrt{b} | } と絶対値がつきます{ \sqrt{a} + \sqrt{b} } は常に正の値ですが、{ \sqrt{a}- \sqrt{b} }{a}{b} の大小によって正にも負にもなります。しかし{ a \gt b } とすることで、絶対値の中身が常に正になりますので絶対値を外すことができ、扱いやすくなります。これが「大きい方、小さい方の順番に当てはめる」ことの理由です。

 

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 

小数首位(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「小数首位」です!

 

「小数首位」の解法のPOINT

桁数問題と似た問題に「小数首位」の問題があります。小数首位とは「小数第何位に初めて0でない数字が現れるか」というもので、例えば { 0.0012 } という小数は、小数第3位に初めて0でない数字「1」が現れます。このとき、「小数首位は第3位」といいます。同じように { 0.0000045 } ならば「小数首位は第6位」といいます。

 

では、{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} } のときはどうでしょうか。{ \dfrac{1}{3} } を30回かけるのは大変そうです。そこで、小数首位の問題についても、桁数問題と同じように考えてみることにしましょう。

 

例えば、ある数 {A} の小数首位が第 {3} 位であったとしましょう。このとき

{ 0.001 \leqq A \lt 0.01 }

{ 10^{-3} \leqq A \lt 10^{-2} }

が成り立ちます。 

 

同じように

{A} の小数首位が第 {4} 位なら

{ 0.0001 \leqq A \lt 0.001 }

{ 10^{-4} \leqq A \lt 10^{-3} }

が成り立つので

 

{A} の小数首位が第 {n} 位なら

{ 10^{-n} \leqq A \lt 10^{-(n-1)}}

が成り立ちます。

 

すると、例えば { \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30}} の小数首位が第 {n} 位なら

{ 10^{-n} \leqq \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} \lt 10^{-(n-1)} \cdots }

が成り立つので、①を満たす {n} を求めるために、①の各辺に { \log_{10}} をくっつけて

{ \log_{10}{10^{-n}} \leqq \log_{10}{\left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} } \lt \log_{10}{10^{-(n-1)}}  }

{ -n \leqq \log_{10}{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30}} \lt -(n-1) }

が成り立ちます。

よって、後は{ \log_{10}{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30}}} の値が分かれば {n} が求まり、小数首位がわかります(具体的には下の例題で確認してください)。 

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上の「解法のPOINT」を踏まえた上で、「{A} の小数首位の求め方」をまとめると

{ \log_{10}{A} } の値を求める

{ -n \leqq \log_{10}{A} \lt -(n-1) } の形で表す

{n} が求める小数首位

となります。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

{ \log_{10}{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} } }

{ = 30 \log_{10}{ \dfrac{1}{3} }}

{ = 30 \log_{10}{ 3^{-1} } }

{ = -30 \log_{10}{3} }

{ = -30 \times 0.4771 }

{ = - 14.313}

よって

{ -15 \lt \log_{10}{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} \lt -14 }}

より

{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{30} } は、小数第 {15} 位に初めて0でない数字が現れる {\cdots}(答)

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

数学入試対策「4つのStage」について

こんにちは!
数学の部屋のうちやまです。
今回は「4つのStage」について説明します!

「数学の部屋」って?

「数学の部屋」では、高校数学を「わかりやすく・ていねいに」解説しています。

 ・授業でやったけど理解が不十分なところの復習

 ・まだ授業でやっていない分野の先取り

など、使い方は様々です。

うまく活用して、ドンドンアタマよくなって欲しいと願っています。

「4つのStage」って?

さて、私は数学の大学入試対策を次の4つのStageに分類しています。

Stage1【基礎】教科書の基本事項を身につける段階

Stage2【基本】入試基本問題(=典型題)の解き方を身につける段階

Stage3【標準】入試標準問題に対する思考力を養成する段階

Stage4【発展】入試発展問題に対する思考力を養成する段階

例えば「高3の〇月までにStage2を終わらせよう」とか「Stage3の勉強法はStage2の勉強法と違ってここに気を付けよう」などのようにこれらの言葉を使っていきます。

それぞれのStageの細かい話については後々書きますので、そちらを参照してください。

今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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