累乗根(指数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「累乗根」です!

 

累乗根とは

累乗根(るいじょうこん)は、中学で学んだ平方根(へいほうこん)を拡張したものです。そこでまず、平方根について簡単に復習しておきましょう。

正方形の一辺の長さ

上図のように、面積が 4 と 3 の正方形の一辺の長さをそれぞれ求めてみることにしましょう。

 

まず、面積が 4 の正方形の一辺の長さは「2乗して 4 になる数」すなわち「 2 」であることはすぐにわかりますね。

この「2乗して 4 になる数」のことを「 4 の平方根といいます。この場合、「 4 の平方根(の1つ)は 2 である」という言い方をします。

ちなみに、(の1つ)と書いたのは、2乗して 4 になる数は {-2} もあるからです({ (-2)^2 = 4 } )。よって、正確には「 4 の平方根{2}{-2} である」が正しい言い方です。

 

次に、面積が 3 の正方形の一辺の長さは「2乗して 3 になる数」を考えればよいことがわかります。

この「2乗して 3 になる数」のことを「 3 の平方根といいます。そして、「2乗して 3 になる数」は、新しい記号を使って { \sqrt{3} } と表されることは既に中学で学習済みのはずです。

つまりこの場合、「 3 の平方根(の1つ)は { \sqrt{3}} である」という言い方をします。

この場合も、2乗して 3 になる数は { - \sqrt{3} } もあるので、正確には「 3 の平方根{ \sqrt{3} }{ - \sqrt{3} } である」が正しい言い方です。

 

累乗根を理解する上では、平方根はこれくらい復習しておけば大丈夫でしょう。では、いよいよ累乗根を紹介します。

立方体の一辺の長さ

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今度は、体積が 8 と 7 の立方体の一辺の長さをそれぞれ求めてみることにしましょう。

 

先ほどと同じように考えれば、体積が 8 の立方体の一辺の長さは「3乗して 8 になる数」すなわち 2 であることがわかります。

この「3乗して 8 になる数」のことを「 8 の3乗根」といいます。この場合、「 8 の3乗根は 2 」という言い方をします。

 

さらに、体積が 7 の立方体の一辺の長さは「3乗して 7 になる数」を考えればよいことがわかります。

この「3乗して 7 になる数」のことを「 7 の3乗根」といいます。そして、「3乗して 7 になる数」を、平方根に似た新しい記号を使って { \sqrt[3]{7}} と表すことにするのです。つまりこの場合「 7 の3乗根は { \sqrt[3]{7}}という言い方をします。 

 

累乗根

同じようにして

「4乗して7になる数」のことを「 7 の4乗根」といい、{ \sqrt[4]{7} } で表す

「5乗して2になる数」のことを「 2 の5乗根」といい、{ \sqrt[5]{2}} で表す

一般に

{n} 乗して {a} になる数」のことを「 {a}{n} 乗根」といい、 {\sqrt[n]{a} } で表す

ことにして、これらをまとめて累乗根といいます。

 

ちなみに、{ \sqrt{3} } は累乗根の書き方で表せば { \sqrt[2]{3}} となり、「3の2乗根」ということになりますが、2は省略し、今まで通り「平方根」と呼ぶことにします(3乗根は別名「立方根」と呼ばれます。4乗根以上にはそのような別名はありません)。

 

累乗根の性質

 累乗根には、次の性質が成り立ちます。

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上の3つの公式は、平方根で学んだものとほぼ同じですから理解しやすいと思います。下の2つの公式は初めて出てきましたので、しっかり覚えておきましょう。それぞれの公式の証明については「指数の拡張2」を見てください。

 

例題

それでは例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1) {  \sqrt[5]{32} = \sqrt[5]{2^5} = 2 \cdots } (答)

(2) { \sqrt[4]{2}\sqrt[4]{8} = \sqrt[4]{16} = \sqrt[4]{2^4} = 2 \cdots } (答)

(3) { \dfrac{ \sqrt[3]{250} }{ \sqrt[3]{2}} = \sqrt[3]{125} = \sqrt[3]{5^3} = 5 \cdots } (答)

(4) {  \displaystyle \sqrt{ \sqrt[3]{729} } = \sqrt[6]{729} = \sqrt[6]{3^6} = 3 \cdots } (答)

(5) {  \sqrt[8]{16} = \sqrt[8]{2^4} = \sqrt{2} \cdots } (答)

 

解説

(1) (2) (3) は問題ないでしょう。(4) (5) は、{ \sqrt{a} }{ \sqrt[2]{a}} の2が省略されたものであることを思い出してください。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!