指数の拡張2(指数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「指数の拡張2」です!

 

指数の拡張

「指数の拡張1」では、指数を「自然数」から「整数」に拡張しました。今回は、さらに「有理数」まで拡張して、{ 2^{\frac{1}{2}}}{ 2^{\frac{2}{3} }} などを考えます。

まず {2^{\frac{1}{2}}} を考えてみます。

「指数の拡張1」では

{2^1} ー(2倍)→ {2^2} ー(2倍)→ {2^3}

と、隣り合う数の間に成り立つ関係を保たせるために {2^0}{2^{-1}} などの値を決めました。そこで今回も、隣り合う数の間に成り立つ関係を考え、そこから {2^{\frac{1}{2} }} の値を考えてみましょう。

 

上の図を見ると

{2^0} ー(?倍)→ { 2^{ \frac{1}{2}} } ー(?倍)→ {2^1}

となっています。

よって、「?」に入る数が分かれば、{ 2^{ \frac{1}{2}} } の値は決まります。

ここで

{2^0} ー(2倍)→ {2^1}

であることに注目すると、「?」には「2回かけて2となる数」つまり {\sqrt{2}} が入ることが分かります。

よって

{ 2^{ \frac{1}{2}} = \sqrt{2} }

と決めることにしましょう。

 

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同じように {2^{\frac{1}{3}}}{2^{\frac{2}{3}}} を考えてみます。

上の図を見ると {2^0} ー(?倍)→ { 2^{ \frac{1}{3}} } ー(?倍)→ { 2^{ \frac{2}{3}} } ー(?倍)→{2^1} となっています。 ここで {2^0} ー(2倍)→ {2^1} であることに注目すると、「?」には「3回かけて2となる数」つまり {\sqrt[3]{2}} が入ることが分かります。 よって

{ 2^{ \frac{1}{3}} = \sqrt[3]{2} }

{ 2^{ \frac{2}{3}} = \sqrt[3]{2} \times \sqrt[3]{2} = \sqrt[3]{2^2} }

と決めることにしましょう。

 

以上まとめると次のようになります。

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 この基本事項により、「分数乗」と「累乗根」が自由に行き来できるようになります。

さらに指数法則も、指数が有理数の範囲でも使えるようになります。

 

例題

それでは、この基本事項を使って例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1) { \displaystyle 4^{\frac{1}{3}} \times 4^{\frac{1}{4}} \div 4^{\frac{1}{12}} = 4^{ \frac{1}{3} + \frac{1}{4} - \frac{1}{12} } }

{ = 4^{ \frac{6}{12} } = 4^{\frac{1}{2} } = \sqrt{4} = 2 \cdots }(答) 

(2) {\displaystyle  \left\{ \left( \frac{16}{9} \right)^{-\frac{3}{4}}  \right\}^\frac{2}{3} = \left( \frac{16}{9} \right)^{ -\frac{3}{4} \times \frac{2}{3}} }

{ \displaystyle = \left( \frac{16}{9} \right)^{-\frac{1}{2}} = \left( \frac{9}{16} \right)^{\frac{1}{2}}}

{ \displaystyle  = \sqrt{ \frac{9}{16} } = \frac{3}{4} \cdots }(答)

(3) { \sqrt[4]{9} \times \sqrt[6]{27} = 9^{\frac{1}{4}} \times 27^{\frac{1}{6}}  }

{ = (3^2)^{\frac{1}{4} } \times (3^3)^{\frac{1}{6} }}

{ = 3^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{1}{2} } = 3 \cdots}(答)

(4) { \sqrt{a} \div \sqrt[6]{a} \times \sqrt[3]{a^2} = a^{\frac{1}{2}} \div a^{\frac{1}{6}} \times a^{\frac{2}{3}} }

{ = a^{\frac{1}{2} - \frac{1}{6} + \frac{2}{3} } = a \cdots}(答)

 

解説

(3) (4) から「累乗根は分数乗に直す」と計算が簡単になることがわかります(余力のある人は、(3) (4)を累乗根の性質だけを使って求めてみましょう)。

 

 今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!