指数関数のグラフ(指数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「指数関数のグラフ」です!

 

指数関数とは

{ y = 2^x }{ y = \left( \dfrac{1}{2} \right)^x } のように、{ y = a^x } の形の関数を指数関数(しすうかんすう)といいます。また、このときの {a} のことを底(てい)といいます。

底には条件があり、{ a \gt 0 }{ a \ne 1 } を満たしている必要があります(これについては後ほど詳しく説明します)。

 

指数関数のグラフ

それでは、指数関数のグラフを考えましょう。例として、{ y=2^x }{ y=\left( \dfrac{1}{2} \right)^x } のグラフを考えてみます。

まず、{ y = 2^x } のグラフは、上図のようにそれぞれの {x} の値に対する {y} の値を求めてみれば、ドンドン増えていくことがわかります。さらにその増え方も、急激に大きくなっていくことがわかります。よって、指数関数 { y=2^x} のグラフは上図のようになります。グラフを描くときの注意点は次の2点です。

{ x=0 } のとき { y=2^0=1} なので、グラフは点 { (0,1) } を通ります

{x} の値が小さくなると {y} の値はドンドン小さくなりますが、0になることはありません。よって、グラフは {x} 軸に触れることはありません{x} 軸が漸近線である、という言い方をすることもあります)。

 

次に、{ y = \left( \dfrac{1}{2} \right)^x } のグラフも同じように考えていくと、{y} の値はドンドン(しかも急激に)減っていくことがわかります。よって、指数関数 { y=\left( \dfrac{1}{2} \right)^x} のグラフは上図のようになります。このときも、グラフを描くときの注意点は次の2点です。

{ x=0 } のとき { y=\left( \dfrac{1}{2} \right)^0=1} なので、グラフは点 { (0,1) } を通ります。 ② {x} の値が大きくなると {y} の値はドンドン小さくなりますが、0になることはありません。よって、グラフは {x} 軸に触れることはありません{x} 軸が漸近線である、という言い方をすることもあります)。

 

指数関数のグラフのまとめ

ここまでの話から、指数関数 { y=a^x } のグラフは大きく分けて2種類あることがわかります。そしてそれは底の値によって決まり、底が1より大きいとき( { a \gt 1 } のとき)は、{y=2^x} のグラフのようにドンドン増加するグラフ、底が1より小さいとき({ 0 \lt a \lt 1 } のとき)は、{ y=\left( \dfrac{1}{2} \right)^x } のグラフのようにドンドン減少するグラフになります。まとめるとまとめると下図のようになります。

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底の条件について

ここで、先ほどの底の条件「{a \gt 0}{ a\ne 1} 」について説明します。

まず、{a \gt 0} でなければならない理由は、例えば { y=(-2)^x } を考えると

{ x = 1 } のとき { y=-2 }

{ x=2 } のとき { y=4}

{ x=3} のとき { y=-8}

と符号が交互に変わるため、グラフが上のようなシンプルな形になりません。よって、{ a \gt 0 } としているのです。

また、{ a \ne 0 } については、{a=1} とすると { y=1^x} となり、これは{x} がどんな値でも { y=1 } で、グラフが{x} 軸に平行な直線となってしまうので、指数関数を考えるときは {a \ne 1} としているのです。

 

指数関数の性質

次に、指数関数のグラフからわかる性質について説明します。

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まず、{a \gt 0} (例として {a=2} )のときを考えます。

このときグラフは上図のように増加しますので、{x} の値が大きければ大きいほど {y} の値は大きくなります。つまり

{ 1 \lt 4 \Longleftrightarrow 2^1 \lt 2^4 }

一般的に

{ p \lt q \Longleftrightarrow 2^p \lt 2^q }

が成り立ちます。

すなわち「指数の大小と全体の大小が同じ」ということを意味します。

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次に、{ 0 \lt a \lt 1}(例として { a = \dfrac{1}{2}} )のときを考えます。

このときグラフは上図のように減少しますので、{x} の値が大きければ大きいほど{y} の値は小さくなります。つまり

{ 1 \lt 4 \Longleftrightarrow \left( \dfrac{1}{2} \right)^1 \gt \left( \dfrac{1}{2} \right)^4 }

一般に

{ p \lt q \Longleftrightarrow \left( \dfrac{1}{2} \right)^p \gt \left( \dfrac{1}{2} \right)^q }

が成り立ちます。

つまり「指数の大小と全体の大小がということを意味します。

 

まとめると次のようになります。

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とくに { 0 \lt a \lt 1 } のとき、指数の大小と全体の大小が逆になる(つまり不等号が逆になる)ことに注意しましょう。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!