対数(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数」です!

 

対数とは?

今回から「対数関数」という分野がスタートします。まずはじめに、「対数」とは何なのかを勉強しましょう。

f:id:s-uchiyama:20181109170804j:plain

上図を見てください。指数関数 { y = 2^x } のグラフがあります。

ここで、{ y = 2 } となる {x} は、指数方程式 { 2^x = 2 } を解いて { x = 1 } と計算できます。

また、{ y = 4 } となる {x} は、指数方程式 { 2^x = 4 } を解いて { x = 2 } と計算できます。

では、{ y = 3 } となる {x} はどうでしょうか。同じように考えれば、{ 2^x = 3 } を解けばよいのですが、「2を何乗したら3になるか」はすぐにはわかりません(図を見れば1と2の間の値であることはわかるのですが…)。

そこで、この「2を何乗したら3になるか」を表す数(つまり、{ 2^x=3} となる {x} { \log_2{3}} という記号で表すことにして、これを対数といいます。

 

一般に、{a} を何乗したら {b} になるか」を表す数(つまり、{ a^x=b } となる {x}{ \log_a{b} } という記号で表すことにします。

f:id:s-uchiyama:20181109171708j:plain

このとき、{a}{b} にはそれぞれ名前がついていて、{a}底(てい){b}真数(しんすう)といいます。さらに、底と真数には条件があって

底の条件は「(底){\gt 0} , (底){\ne 1}、真数の条件は「(真数){ \gt 0}

です。

 

対数の性質(その1)

対数の計算には、様々な性質を利用します。今回はその性質の第一弾として、3つの公式を勉強しましょう。

f:id:s-uchiyama:20181109172111j:plain

まず①と②については、対数の意味を考えると理解できます。

まず{\log_a{a} } は「{a}を何乗したら {a} となるか?」ですから、答えは 1 になります。 

次に {\log_{a}{1} } は「{a} を何乗したら {1} になるか?」ですから、答えは 0 になります( { 2^0 = 1 } でしたね!)。

 

次の ③ は少し変わった公式です。真数が {b^k} という形をしているとき、{k} を log の前に持っていくことができる、ということです。「肩の数字はジャンプする」と覚えておくと良いでしょう。 

 

これらの性質を利用すると、いろいろな対数の値が計算できるようになります。

例えば、{ \log_{3}{81} } という対数の値を求めてみると

{ \log_{3}{81} }

{ = \log_{3}{3^4} }

{ = 4 \log_{3}{3} } ←性質③を使った

{ = 4 \times 1 } ←性質①を使った

{ = 4 \cdots }(答)

このように、対数の値の計算を求めることが出来ます(この対数は「3を何乗したら81となるか?」を表す数、つまり 4 なので、上の答えが正しいことがわかります)。慣れてきたら

{ \log_{3}{81} }

{ = \log_{3}{3^4} }

{ =4 \cdots }(答)

と省略できるようになりましょう。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

f:id:s-uchiyama:20181109174440j:plain

解答

(1) { \log_{2}{32} = \log_{2}{2^5} = 5 \cdots }(答)

(2) { \sqrt{1000} = \sqrt{ 10^{3} } = 10^{\frac{3}{2} }} より

{ \log_{10}{\sqrt{1000}} }

{ = \log_{10}{10^{\frac{3}{2}}} = \dfrac{3}{2} \cdots }(答)

(3) { \log_{9}{3} = \log_{9}{9^{\frac{1}{2}}} = \dfrac{1}{2} \cdots }(答)

(4) { 27 = 3^3 }

{ = \left\{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{-1} \right\}^{3} = \left( \dfrac{1}{3} \right)^{-3} }より

{ \log_{\frac{1}{3}}{27} }

{ = \log_{\frac{1}{3}}{\left( \dfrac{1}{3} \right)^{-3}} = -3 \cdots}(答)

解説

(3) と (4) は、後で学ぶ「底の変換公式」を使うともっとラクに計算できるようになります。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!