対数方程式・不等式(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数方程式・不等式」です!

 

「対数方程式・不等式」の解法のPOINT

対数を含む方程式を解くためには

底の値に関係なく

{ p = q \Longleftrightarrow \log_{a}{p} = \log_{a}{q} }

が成り立つことを利用します。

 

また、対数を含む不等式を解くためには、「対数の大小比較」と同じく次の性質を利用します。

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つまり、与えられた方程式や不等式の底をそろえ、真数の部分を比べることで解くことができます。何度も繰り返しますが、{ 0 \lt (底) \lt 1 } のときは注意しましょう。

 

…と、ここまでは「指数方程式・不等式」と似ていますが、対数方程式・不等式の場合は、最初にやらなければならないことがあります。それは

「真数条件」のチェック

です。

 

{ \log_{a}{b} } という対数の { b } のことを真数といいました。そして、真数には条件があって、 { b \gt 0 } (真数は正)でなければなりません。よって、対数方程式・不等式を解くときにも、「真数は正」であることを最初にチェックしなければないないのです。具体的には後の例題で確認してください。

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例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1)

まず、真数条件より {x \gt 0 \cdots }

このとき

{ \log_{2}{x} = 3 }

{ \log_{2}{x} = \log_{2}{8} } ←「解説」を参照

{ x = 8 \cdots }

①、②より

{ x = 8 \cdots }(答)

 

(2)

まず、真数条件より { x-2 \gt 0 }

{ x \gt 2 \cdots }

このとき

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = -3 }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{ \left( \frac{1}{2} \right)^{-3}} }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{2^3} }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{8} }

{ x-2 = 8 }

{ x = 10 \cdots }

①、②より

{ x = 10 \cdots}(答)

 

(3)

まず、真数条件より { x \gt 0 \cdots}

このとき 

{ \log_{3}{x} \lt 2}

{ \log_{3}{x} \lt \log_{3}{9} }

底:{ 3 \gt 1} より

{ x \lt 9 \cdots}

①、②より

{ 0 \lt x \lt 9 \cdots}(答)

 

(4)

まず、真数条件より { x-1 \gt 0 }

{ x \gt 1 \cdots}

このとき

{ \log_{\frac{1}{3}}{(x-1)} \lt 2 }

{ \log_{\frac{1}{3}}{(x-1)} \lt \log_{\frac{1}{3}}{\dfrac{1}{9}} }

底:{ 0 \lt \dfrac{1}{3} \lt 1 } より

{ x - 1 \gt \dfrac{1}{9} }

{ x \gt \dfrac{10}{9} \cdots}

①、②より

{ x \gt \dfrac{10}{9} \cdots }(答) 

 

解説

(1) では、方程式の右辺を

{ 3 = \log_{2}{8}}

と変形していますが、詳しく書くと

{ 3 = 3 \times 1 }

{ = 3 \times \log_{2}{2} }

{ = \log_{2}{2^3} }

{ = \log_{2}{8} }

です。(2)、(3)、(4)も同じように変形しています。

 

(3) (4) の不等式では、真数条件から①、不等式を解いて②が得られます。

答えは、①と②を同時に満たす {x} なので、解答のように連立不等式を解きます。 

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!