関数の増減
こんにちは!
数学の部屋のうちやまです。
今回のテーマは「関数の増減」です!
今回の問題
今回はこの問題に挑戦です!
講義
それでは、問題を解くために必要なコトを解説していきます!
関数の増減
今回の目標は、例えば
のような、今まで見たことのない関数のグラフを描くことです。
もちろん
のとき
のとき
・・・
と調べて点をとり、それらを線でつなげればグラフは描けますが、少し大変です。今回はもっと簡単に、グラフの「大ざっぱな形」を描く方法を考えてみましょう。
グラフの「大ざっぱな形」とは、「グラフがいつ上がっていつ下がるのか」ということ。言い換えると「関数の値がいつ増加していつ減少するのか」ということです。では、それらを微分法の知識を使って考えてみましょう。
導関数の講義で学習したように、導関数 の図形的イメージは「接線の傾き」でした。そこで、接線の傾きに注目してみます。例えば、放物線で考えてみましょう。
まず、関数 の値が増加している部分の接線の傾きに注目すると、傾きは正であることがわかります。つまり、 ということです。従って
関数 の値が増加している(グラフが上がっている)とき、 となる
といえそうです。
次に、関数 の値が減少している部分の接線の傾きは負、つまり ということですので
関数 の値は減少している(グラフは下がっている)とき、 となる
といえそうです。
さらに、関数 の値が一定になる部分(減少から増加に変わる部分)の接線の傾きは0、つまり ということですので
関数 の値が一定になるとき、 となる
といえそうです。
このように、 の符号を調べれば関数 の値の増加・減少の様子がわかる、ということです。
グラフの描き方
では、今の話をベースにして、先ほどの関数 のグラフを描いてみましょう。
グラフは次の3つのStepで描くことができます。
1つずつ、詳しくみていきましょう。
の符号で増加・減少の様子がわかるのですから、まず を求めるのは自然なことですね。
今回は とおくと
となります(因数分解した理由はこの後すぐにわかります)。
そして、増加と減少が切り替わる部分を求めるために を解きます。
今回は すなわち より です。あらかじめ因数分解しておいたので、ラクに解くことができました。
それでは1行目から順に説明していきます!
Step2でかいた増減表をもとに、グラフを描きます。増減表をみれば
のときは増加
のときは一定
のときは減少
のときは一定
のときは増加
となっていることがわかります。よってグラフは次のようになります( 軸を通るので 切片を求めておきます。もちろん を計算して ですね)。
以上でグラフが描けました。講義を読んだだけではなかなか身に付かないと思いますので、具体的な問題をたくさん解いて定着させましょう。
極値
最後に新しい言葉を紹介します。先ほどのグラフを見てください。
このグラフにおいて
増加から減少に変わる部分(「山」の部分)を「極大」といい、そのときの の値を「極大値」
減少から増加に変わる部分(「谷」の部分)を「極小」といい、そのときの の値を「極小値」
といいます。さらに「極大値」と「極小値」を合わせて「極値」といいます。
今回の問題(再掲)
では改めて、今回の問題を掲載しておきます。
自分の力で解いてから、下の解答・解説を読んでみましょう!
解答・解説
とおくと
より
増減表は次のようになる
よってグラフは下図