指数の大小比較(指数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「指数の大小比較」です!

 

「指数の大小比較」の解法のPOINT

「指数関数の性質」の復習

今回の内容に入る前に、「指数関数のグラフ」で学習した「指数関数の性質」を復習しておきましょう。

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指数関数 { y = a^x } のグラフは、{a}(これを「底(てい)」と呼ぶのでした)の値によって

 { a \gt 1 } のときは増加

 { 0 \lt a \lt 1 } のときは減少

となることから、上図のような性質が成り立つことを学習しました。

特に、底が {0}{1} の間、すなわち { 0 \lt a \lt 1 } のときは、指数の大小と全体の大小が逆になることに注意が必要でした。覚えていますか?

 

「指数の大小比較」の考え方

この性質は{a^p}{a^q} の大小(全体の大小)」は、「{p}{ q } の大小(指数の大小)」で判断できる、ということができます。

そして、今回のテーマ「指数の大小比較」は、この性質を利用します。

 

例えば { 2^{5} }{ 2^{10}} の大小を比較するときに、それぞれの値を具体的に求める必要はありません。

底がどちらも {2} でそろっているので、先ほどの性質を使えば「全体( {2^{5}}{2^{10}} )の大小」は、「指数( {5}{10} )の大小」で判断できます。

さらに、底は {2}{1} より大きいので「指数の大小と全体の大小は同じ」つまり「指数が大きい方が全体も大きくなる」と言えます。

よって、{ 2^{10}} の方が大きいことがわかります(実際に値を求めてみると、{ 2^5 = 32 }{ 2^{10} = 1024 } なので、確かに { 2^{10}} の方が大きい)。

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同じように、{ \left( \dfrac{1}{2} \right) ^{5} }{ \left( \dfrac{1}{2} \right)^{10} } の大小も、それぞれの値を具体的に求める必要はありません。

底がどちらも {\dfrac{1}{2}} でそろっているので、「全体( {\left( \dfrac{1}{2} \right)^{5}}{ \left( \dfrac{1}{2} \right)^{10}} )の大小」は、「指数( {5}{10} )の大小」で判断できます。

さらに、底は {\dfrac{1}{2}}{0}{1} の間なので「指数の大小と全体の大小は逆」つまり「指数が小さい方が全体は大きくなる」と言えます。

よって、指数が小さい方、つまり { \left( \dfrac{1}{2} \right)^{5}} の方が大きいことがわかります。(実際に値を求めてみると、{ \left(\dfrac{1}{2}\right)^5 = \dfrac{1}{32} }{ \left( \dfrac{1}{2} \right)^{10} = \dfrac{1}{1024} } なので、確かに { \left( \dfrac{1}{2} \right)^{5}} の方が大きい)。

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「指数の大小比較」の解法のPOINT

このように「指数の大小比較」の問題は、「底をそろえて指数の部分を比べる」ことで解くことが出来ます。

上の例は最初から底がそろっていましたが、もちろん底がそろっていない場合もあります。その場合は底をそろえることから始めましょう(詳しくは例題で確認しましょう)。

また、繰り返しになりますが、底が {0}{1} の間のときは「指数の大小と全体の大小は逆になる」ので注意しましょう。

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例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人は挑戦してみましょう)。

問題

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解答

(1)

{ \sqrt[3]{3} = 3^{\frac{1}{3}} }

{ \sqrt[4]{9} = 9^{\frac{1}{4}} = (3^2)^{\frac{1}{4}} = 3^{\frac{1}{2}} }

{ \sqrt[7]{27} = 27^{\frac{1}{7}} = (3^3)^{\frac{1}{7}} = 3^{\frac{3}{7}} }

ここで { \frac{1}{3} \lt \frac{3}{7} \lt \frac{1}{2} } であり

底:{ 3 \gt 1 } であるから

{ 3^{\frac{1}{3}} \lt 3^{\frac{3}{7}} \lt 3^{\frac{1}{2}} }

∴ { \sqrt[3]{3} \lt \sqrt[7]{27} \lt \sqrt[4]{9} \cdots}(答)

 

(2)

{ \sqrt{\frac{1}{2}} = \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{1}{2}} }

{ \sqrt[3]{\frac{1}{4}} = \left( \frac{1}{4} \right)^{\frac{1}{3}} = \left\{ \left( \frac{1}{2} \right)^2 \right\}^{\frac{1}{3}} = \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{2}{3} } }

{ \sqrt[4]{\frac{1}{8}} = \left( \frac{1}{8} \right)^{\frac{1}{4}} = \left\{ \left( \frac{1}{2} \right)^3 \right\}^{\frac{1}{4}} = \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{3}{4} } }

ここで { \frac{1}{2} \lt \frac{2}{3} \lt \frac{3}{4} } であり

底:{ 0 \lt \frac{1}{2} \lt 1 } であるから

{ \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{3}{4}} \lt \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{2}{3}}  \lt \left( \frac{1}{2} \right)^{\frac{1}{2} }}

{ \sqrt[4]{\frac{1}{8}} \lt \sqrt[3]{\frac{1}{4}} \lt \sqrt{\frac{1}{2}}  \cdots }(答)

解説

解法のPOINTに従って、底をそろえて指数を比べます。

(1) の指数( { \frac{1}{3}  ,  \frac{1}{2}  ,  \frac{3}{7} } )を比べる部分は、それぞれ通分してみると

{ \frac{1}{3} = \frac{14}{42} }

{ \frac{1}{2} = \frac{21}{42} }

{ \frac{3}{7} = \frac{18}{42} }

となり比べやすくなります((2)も同じ)。

(2) は、底が { \frac{1}{2} } である点に注意しましょう。底が {0}{ 1 } の間のときは、指数の大小と全体の大小が逆になります。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

指数方程式・不等式(指数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「指数方程式・不等式」です!

 

「指数方程式・不等式」の解法のPOINT

指数方程式の解き方

{ 2^x = 8 }{ 9^{x+1} = 27 } などのように、指数を含む方程式のことを「指数方程式」といいます。

{ 2^x = 8 } であれば、具体的に {x} に値を代入していくことで答えが { x = 3 } であることがわかると思いますが、{ 9^{x+1} = 27 } のように少し複雑になると、答えがすぐに求まりそうもないこともあります。

 

そこで、{ 8 = 2^3 } であることを利用して、{ 2^x = 8 }{ 2^x = 2^3 } と変形するとどうでしょうか。これならすぐに { x = 3 } であることがわかりますね。

同じように、 { 9^x = (3^2)^x=3^{2x}}{27=3^3} であることを利用して、{ 9^x = 27 }{ 3^{2x} = 3^3 } と変形すると、{ 2x = 3 } つまり { x = \dfrac{3}{2} } であることがわかりますね。

 

つまり、両辺の底をそろえれば、指数の部分を比べることで解けるのです。

これは 

{ p = q \Longleftrightarrow a^p = a^q }

が成り立つことを利用しています。

 

指数不等式の解き方 

指数を含む不等式を解くためには、「指数の大小比較」と同じく次の性質を利用します。

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つまり、与えられた方程式や不等式の底をそろえ、指数の部分を比べることで解くことができます。何度も繰り返しますが、{ 0 \lt (底) \lt 1 } のときは注意しましょう。

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例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1)

{ 3^{2x-1} = 243 }

{ 3^{2x-1} = 3^5 }

{ 2x-1 = 5 }

{ x = 3 \cdots }(答)

 

(2)

{ 8^x=4 }

{ 2^{3x} = 2^2 }

{ 3x=2 }

{ x = \frac{2}{3} \cdots }(答)

 

(3)

{ 2^x \lt 32 }

{ 2^x \lt 2^5 }

底:{ 2 \gt 1} より

{ x \lt 5 \cdots}(答)

 

(4)

{ \left( \frac{1}{3} \right)^{2x+1} \lt \left( \frac{1}{81}\right)^x}

{ \left( \frac{1}{3} \right)^{2x+1} \lt \left( \frac{1}{3}\right)^{4x}  }

底:{ 0 \lt \frac{1}{3} \lt 1 } より

{ 2x+1 \gt 4x}

{ x \lt \frac{1}{2} \cdots}(答) 

 

解説

(1) (2) の方程式では、底によらず

{ p = q \Longleftrightarrow a^p = a^q }

が成り立つので、例えば(1)で「底:{3 \gt 1 }より」という記述は不要です。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

対数(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数」です!

 

対数とは?

今回から「対数関数」という分野がスタートします。まずはじめに、「対数」とは何なのかを勉強しましょう。

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上図を見てください。指数関数 { y = 2^x } のグラフがあります。

ここで、{ y = 2 } となる {x} は、指数方程式 { 2^x = 2 } を解いて { x = 1 } と計算できます。

また、{ y = 4 } となる {x} は、指数方程式 { 2^x = 4 } を解いて { x = 2 } と計算できます。

では、{ y = 3 } となる {x} はどうでしょうか。同じように考えれば、{ 2^x = 3 } を解けばよいのですが、「2を何乗したら3になるか」はすぐにはわかりません(図を見れば1と2の間の値であることはわかるのですが…)。

そこで、この「2を何乗したら3になるか」を表す数(つまり、{ 2^x=3} となる {x} { \log_2{3}} という記号で表すことにして、これを対数といいます。

 

一般に、{a} を何乗したら {b} になるか」を表す数(つまり、{ a^x=b } となる {x}{ \log_a{b} } という記号で表すことにします。

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このとき、{a}{b} にはそれぞれ名前がついていて、{a}底(てい){b}真数(しんすう)といいます。さらに、底と真数には条件があって

底の条件は「(底){\gt 0} , (底){\ne 1}、真数の条件は「(真数){ \gt 0}

です。

 

対数の性質(その1)

対数の計算には、様々な性質を利用します。今回はその性質の第一弾として、3つの公式を勉強しましょう。

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まず①と②については、対数の意味を考えると理解できます。

まず{\log_a{a} } は「{a}を何乗したら {a} となるか?」ですから、答えは 1 になります。 

次に {\log_{a}{1} } は「{a} を何乗したら {1} になるか?」ですから、答えは 0 になります( { 2^0 = 1 } でしたね!)。

 

次の ③ は少し変わった公式です。真数が {b^k} という形をしているとき、{k} を log の前に持っていくことができる、ということです。「肩の数字はジャンプする」と覚えておくと良いでしょう。 

 

これらの性質を利用すると、いろいろな対数の値が計算できるようになります。

例えば、{ \log_{3}{81} } という対数の値を求めてみると

{ \log_{3}{81} }

{ = \log_{3}{3^4} }

{ = 4 \log_{3}{3} } ←性質③を使った

{ = 4 \times 1 } ←性質①を使った

{ = 4 \cdots }(答)

このように、対数の値の計算を求めることが出来ます(この対数は「3を何乗したら81となるか?」を表す数、つまり 4 なので、上の答えが正しいことがわかります)。慣れてきたら

{ \log_{3}{81} }

{ = \log_{3}{3^4} }

{ =4 \cdots }(答)

と省略できるようになりましょう。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1) { \log_{2}{32} = \log_{2}{2^5} = 5 \cdots }(答)

(2) { \sqrt{1000} = \sqrt{ 10^{3} } = 10^{\frac{3}{2} }} より

{ \log_{10}{\sqrt{1000}} }

{ = \log_{10}{10^{\frac{3}{2}}} = \dfrac{3}{2} \cdots }(答)

(3) { \log_{9}{3} = \log_{9}{9^{\frac{1}{2}}} = \dfrac{1}{2} \cdots }(答)

(4) { 27 = 3^3 }

{ = \left\{ \left( \dfrac{1}{3} \right)^{-1} \right\}^{3} = \left( \dfrac{1}{3} \right)^{-3} }より

{ \log_{\frac{1}{3}}{27} }

{ = \log_{\frac{1}{3}}{\left( \dfrac{1}{3} \right)^{-3}} = -3 \cdots}(答)

解説

(3) と (4) は、後で学ぶ「底の変換公式」を使うともっとラクに計算できるようになります。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

対数の加法と減法(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数の加法と減法」です!

 

対数の加法と減法

今回は対数の足し算(加法)と引き算(減法)を学びましょう。底が同じ対数は、次の公式を利用して、足したり引いたりすることが出来ます。

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④(加法)は「対数の足し算は真数のかけ算」

⑤(減法)は「対数の引き算は真数の割り算」

と覚えておくとよいでしょう。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1) { \log_{6}{12} + \log_{6}{3} }

{ = \log_{6}{(12 \times 3)} }

{ = \log_{6}{36} }

{ = \log_{6}{6^2} }

{ = 2 \cdots }(答)

(2) { \log_{5}{15} - \log_{5}{75} }

{ = \log_{5}{ \dfrac{15}{75} } }

{ = \log_{5}{ \dfrac{1}{5} } }

{ = \log_{5}{5^{-1}} }

{ = -1 \cdots }(答)

(3) { \log_{3}{\sqrt[3]{6}} - \dfrac{1}{3} \log_{3}{2} }

{ = \log_{3}{\sqrt[3]{6}} - \log_{3}{\sqrt[3]{2}} }

{ = \log_{3}{\dfrac{ \sqrt[3]{6} }{ \sqrt[3]{2} }} }

{ = \log_{3}{ \sqrt[3]{3} } }

{ = \log_{3}{ 3^{\frac{1}{3} }} }

{ = \dfrac{1}{3} \cdots }(答)

(4) { 4 \log_{2}{\sqrt{2}} + \dfrac{1}{2} \log_{2}{3} - \log_{2}{ \dfrac{\sqrt{3}}{2}} }

{ = \log_{2}{2} + \log_{2}{\sqrt{3}} - \log_{2}{ \dfrac{ \sqrt{3} }{2} } }

{ = \log_{2}{ \left( 2 \times \sqrt{3} \times \dfrac{2}{\sqrt{3}} \right) }}

{ = \log_{2}{4} }

{ = \log_{2}{2^2} }

{ = 2 \cdots}(答)

 </p

(補足)公式の証明

{ \log_{a}{M} + \log_{a}{N} = \log_{a}{MN} }

【証明】

{ \log_{a}{M} = p} , { \log_{a}{N} = q }

とおくと

(左辺) { = p + q }

となるので

(右辺) { = p + q }

となることを示すことが目標です!

 

ここで、対数の定義より

{  \log_{a}{M} = p \Longleftrightarrow M = a^p }

{  \log_{a}{N} = q \Longleftrightarrow N = a^q }

なので、指数法則を使うと

{ MN = a^p \times a^q = a^{p+q} }

となります。

すると

(右辺){ = \log_{a}{a^{p+q}} }

{ = p+q }

となるので、(左辺){ = }(右辺) です。(証明終)

 

 

{ \log_{a}{M} - \log_{a}{N} = \log_{a}{\dfrac{M}{N} }}

【証明】

流れは④と全く一緒です。

{ \log_{a}{M} = p  ,  \log_{a}{N} = q } とおくと

(左辺){ = p - q }

となります。

 

対数の定義より

{  \log_{a}{M} = p \Longleftrightarrow M = a^p }

{  \log_{a}{N} = q \Longleftrightarrow N = a^q }

なので、指数法則を使うと

{ \dfrac{M}{N} = a^p \div a^q = a^{p-q} }

となります。

すると

(右辺){ = \log_{a}{a^{p-q}} }

{ = p-q }

となるので、(左辺){ = }(右辺) です。(証明終)

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

底の変換(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「底の変換」です!

 

底の変換

今回は対数の性質(その3)ということで、「底の変換」を勉強しましょう。

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これが「底の変換」と呼ばれる公式です。左辺の底は「{a}」、右辺の底は分母・分子ともに「{c}」です。{c} は底の条件「{ c \gt 0 }{ c \ne 1}」を満たしていれば何でも良いので、この公式を使うことで、底を自分の好きなものに変えることが出来ます

例えば

{ \log_{4}{3} = \dfrac{ \log_{2}{3} }{ \log_{2}{4}} = \dfrac{1}{2} \log_{2}{3} }

→ 底を4から2に変換した

(分母は { \log_{2}{4} = \log_{2}{2^2} = 2 }

{ \log_{2}{3} = \dfrac{ \log_{10}{3} }{\log_{10}{2}} }

→ 底を2から10に変換した

{ \log_{5}{7} = \dfrac{ \log_{\sqrt{2}}{7}}{ \log_{\sqrt{2}}{5}} }

→ 底を5から{\sqrt{2}}に変換した

といった感じです。もちろん、何でもかんでも底を変えればよいというわけではなく、底を変換した結果、計算がラクになったり、その他メリットがある場合に底を変換します(なので、3番目の例は実用性があまりありませんね)。例えば、前回の「対数の加法・減法」では、底が同じ対数の場合は足し算・引き算が出来る、といいました。ですから

{ \log_{2}{3} + \log_{4}{3} = ?? }

は、底が違うので足し算が出来ません。そこで「底の変換」の登場です。底は何でも自分の好きなものに変えることが出来ますから、この問題も底を2に変換すれば

{ \log_{2}{3} + \log_{4}{3} }

{ = \log_{2}{3} + \dfrac{ \log_{2}{3} }{ \log_{2}{4} } }

{ = \log_{2}{3} + \dfrac{1}{2} \log_{2}{3} }

{ = \dfrac{3}{2} \log_{2}{3} \cdots}(答)

のように計算することが出来るようになります。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1) {\log_{4}{8} }

{ = \dfrac{ \log_{2}{8} }{ \log_{2}{4} } } ←底を2に変換した

{ = \dfrac{ \log_{2}{2^3} }{ \log_{2}{2^2}} }

{ = \dfrac{3}{2} \cdots}(答)

 

(2) {\log_{27}{3} }

{ = \dfrac{ \log_{3}{3} }{ \log_{3}{27} } } ←底を3に変換した

{ = \dfrac{ 1 }{ \log_{3}{3^3}} }

{ = \dfrac{1}{3} \cdots}(答)

 

(3) 底を {2} にそろえると

{\log_{2}{3} \cdot \log_{3}{8} }

{ = \log_{2}{3} \cdot \dfrac{ \log_{2}{8} }{ \log_{2}{3} } }

{ = \log_{2}{3} \cdot \dfrac{3}{\log_{2}{3} }}

{ =3 \cdots}(答)

 

 今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

対数関数のグラフ(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数関数のグラフ」です!

 

対数関数とは

{ y =\log_2{x} }{ y = \log_{\frac{1}{2}} {x} } のように、{ y = \log_{a}{x} } の形の関数を対数関数(たいすうかんすう)といいます。

また、このときの {a} のことを底(てい)、{x} のことを真数(しんすう)といいます。

底や真数には条件があり、

底の条件は { a \gt 0 }{ a \ne 1 }

真数の条件は { x \gt 0 }

です。

 

対数関数のグラフ

それでは、対数関数のグラフを考えましょう。例として、{ y = \log_{2}{x} }{ y=\log_{\frac{1}{2}}{x} } のグラフを考えてみます。

例1

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まず、{ y = \log_{2}{x} } のグラフは、上図のようにそれぞれの {x} の値に対する {y} の値を求めてみれば、ドンドン増えていくことがわかります。ですが、{x} が 16 になってようやく {y} の値が 4 になることからもわかるように、増え方は緩やかであることがわかります。よって、対数関数 { y=\log_{2}{x} } のグラフは上図のようになります。グラフを描くときの注意点は次の2点です。

{ x=1 } のとき { y=\log_{2}{1} } なので、グラフは点 {(1,0)} を通ります。

② 真数の条件より { x \gt 0 } なので、グラフは {y} 軸よりも右側に現れます。つまり、グラフは {y} 軸に触れることはありません({y} 軸が漸近線である、という言い方をすることもあります)。

 

例2

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次に、{ y = \log_{\frac{1}{2}}{x} } のグラフも同じように考えていくと、{y} の値はドンドン(しかも緩やかに)減っていくことがわかります。よって、対数関数 { y=\log_{\frac{1}{2}}{x} } のグラフは上図のようになります。このときも、グラフを描くときの注意点は次の2点です。

{x=1} のとき { y=\log_{\frac{1}{2}}{1} = 0 } なので、グラフは点 {(1,0)} を通ります。

② 真数の条件より { x \gt 0} なので、グラフは {y} 軸に触れることはありません({y} 軸が漸近線である、という言い方をすることもあります)。

 

対数関数のグラフのまとめ

ここまでの話から、対数関数 { y=\log_{a}{x} } のグラフは大きく分けて2種類あることがわかります。そしてそれは底の値によって決まり、底が1より大きいとき( { a \gt 1 } のとき)は、{ y = \log_{2}{x} } のグラフのようにドンドン増加するグラフ、底が1より小さいとき( { 0 \lt a \lt 1 } のとき)は、{ y = \log_{\frac{1}{2}}{x} } のグラフのようにドンドン減少するグラフになります。まとめると下図のようになります。

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対数関数の性質

次に、対数関数のグラフからわかる性質について説明します。

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まず、{ a \gt 1 }(例として { a=2 } )のときを考えます。

このときグラフは上図のように増加しますので、{x} の値が大きければ大きいほど {y} の値は大きくなります。つまり、上図の場合なら

{ 2 \lt 4 \Longleftrightarrow \log_{2}{2} \lt \log_{2}{4}}

一般的には

{ p \lt q \Longleftrightarrow \log_{2}{p} \lt \log_{2}{q} }

が成り立ちます。

すなわち「真数の大小と全体の大小が同じ」ということを意味します。

 

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次に、{ 0 \lt a \lt 1 }(例として { a = \dfrac{1}{2} } )のときを考えます。

このときグラフは上図のように減少しますので、{x} の値が大きければ大きいほど {y} の値は小さくなります。つまり、上図の場合なら

{ 2 \lt 4 \Longleftrightarrow \log_{2}{2} \gt \log_{2}{4}}

一般的には

{ p \lt q \Longleftrightarrow \log_{2}{p} \gt \log_{2}{q} }

が成り立ちます。

 

すなわち「真数の大小と全体の大小がということを意味します。

 

まとめると次のようになります。

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とくに { 0 \lt a \lt 1 } のとき、真数の大小延滞の大小が逆になる(つまり符号等が逆になる)ことに注意しましょう。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

対数の大小比較(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数の大小比較」です!

 

「対数の大小比較」の解法のPOINT

今回の内容に入る前に、「対数関数のグラフ」で学習した「対数関数の性質」を復習しておきましょう。

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対数関数 { y = \log_{a}{x} } のグラフは

{ a \gt 1 } のときは増加

{ 0 \lt a \lt 1 } のときは減少

となることから、上図のような性質が成り立つことを学習しました。特に、{ 0 \lt a \lt 1 } のときは、真数の大小と全体の大小が逆になることに注意が必要でした。

 

今回のテーマ「対数の大小比較」は、この性質を利用します。

例えば { \log_{2}{3} }{ \log_{2}{5}} の大小を比較するときは、底がどちらも {2} でそろっていて、さらに { (底) \gt 1 } なので「真数の大小と全体の大小は同じ」です。よって、真数の部分({3}{5} )を比べれば、{ \log_{2}{3}} の方が大きいことがわかります。

このように「対数の大小比較」の問題は、「底をそろえて真数の部分を比べる」ことで解くことが出来る、ということになります。繰り返しになりますが、{ 0 \lt (底) \lt 1 } のときは「真数の大小と全体の大小は逆」なので注意しましょう。

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例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1)

{ \log_{3}{2} }

{ \log_{9}{6} }

{ = \dfrac{ \log_{3}{6}}{ \log_{3}{9}} } ←底を変換した

{ = \dfrac{1}{2} \log_{3}{6} }

{ = \log_{3}{6^{\frac{1}{2}}}}

{ = \log_{3}{\sqrt{6} }}

{ \dfrac{1}{2} }

{ = \dfrac{1}{2} \log_{3}{3} }

{ = \log_{3}{3^{\frac{1}{2}}}}

{ = \log_{3}{\sqrt{3}}}

 

ここで { \sqrt{3} \lt 2 \lt \sqrt{6} } であり

底:{ 3 \gt 1 } であるから

{ \log_{3}{\sqrt{3}} \lt \log_{3}{2} \lt \log_{3}{\sqrt{6}} }

∴ {  \dfrac{1}{2} \lt \log_{3}{2}  \lt  \log_{9}{6} \cdots}(答)

 

(2)

{ \log_{\frac{1}{2}}{3} }

{ \log_{\frac{1}{4}}{5} }

{ = \dfrac{ \log_{\frac{1}{2}}{5}}{ \log_{\frac{1}{2}}{\frac{1}{4}}} } ←底を変換した

{ = \dfrac{1}{2} \log_{\frac{1}{2}}{5} }

{ = \log_{\frac{1}{2}}{5^{\frac{1}{2}}}}

{ = \log_{\frac{1}{2}}{\sqrt{5} }}

{ -2 }

{ = -2 \log_{\frac{1}{2}}{\frac{1}{2}} }

{ = \log_{\frac{1}{2}}{ \left( \frac{1}{2} \right)^{-2} } }

{ = \log_{\frac{1}{2}}{4} } ← { \left( \dfrac{1}{2} \right)^{-2} = 2^2 }

 

ここで { \sqrt{5} \lt 3 \lt 4 } であり

底:{ 0 \lt \dfrac{1}{2} \gt 1 } であるから

{ \log_{\frac{1}{2}}{4} \lt \log_{\frac{1}{2}}{3} \lt \log_{\frac{1}{2}}{\sqrt{5}} }

∴ {  -2 \lt \log_{\frac{1}{2}}{3}  \lt  \log_{\frac{1}{4}}{5} \cdots}(答)

 

解説

解法のPOINTに従って、底をそろえて指数を比べます。

(1) では { \dfrac{1}{2} }{ \log_3 } で表す、ということをやっています。これは詳しく書くと

{ \dfrac{1}{2} }

{ = \dfrac{1}{2} \times 1 }

{ = \dfrac{1}{2} \times \log_3{3} }

ということです。よく使う変形ですので、出来るように練習しておきましょう。

(2) は、底が { \frac{1}{2} } である点に注意しましょう。{ 0 \lt (底) \lt 1 } のときは、真数の大小と全体の大小が逆になります。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

対数方程式・不等式(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「対数方程式・不等式」です!

 

「対数方程式・不等式」の解法のPOINT

対数を含む方程式を解くためには

底の値に関係なく

{ p = q \Longleftrightarrow \log_{a}{p} = \log_{a}{q} }

が成り立つことを利用します。

 

また、対数を含む不等式を解くためには、「対数の大小比較」と同じく次の性質を利用します。

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つまり、与えられた方程式や不等式の底をそろえ、真数の部分を比べることで解くことができます。何度も繰り返しますが、{ 0 \lt (底) \lt 1 } のときは注意しましょう。

 

…と、ここまでは「指数方程式・不等式」と似ていますが、対数方程式・不等式の場合は、最初にやらなければならないことがあります。それは

「真数条件」のチェック

です。

 

{ \log_{a}{b} } という対数の { b } のことを真数といいました。そして、真数には条件があって、 { b \gt 0 } (真数は正)でなければなりません。よって、対数方程式・不等式を解くときにも、「真数は正」であることを最初にチェックしなければないないのです。具体的には後の例題で確認してください。

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例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

(1)

まず、真数条件より {x \gt 0 \cdots }

このとき

{ \log_{2}{x} = 3 }

{ \log_{2}{x} = \log_{2}{8} } ←「解説」を参照

{ x = 8 \cdots }

①、②より

{ x = 8 \cdots }(答)

 

(2)

まず、真数条件より { x-2 \gt 0 }

{ x \gt 2 \cdots }

このとき

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = -3 }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{ \left( \frac{1}{2} \right)^{-3}} }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{2^3} }

{ \log_{\frac{1}{2}}{(x-2)} = \log_{\frac{1}{2}}{8} }

{ x-2 = 8 }

{ x = 10 \cdots }

①、②より

{ x = 10 \cdots}(答)

 

(3)

まず、真数条件より { x \gt 0 \cdots}

このとき 

{ \log_{3}{x} \lt 2}

{ \log_{3}{x} \lt \log_{3}{9} }

底:{ 3 \gt 1} より

{ x \lt 9 \cdots}

①、②より

{ 0 \lt x \lt 9 \cdots}(答)

 

(4)

まず、真数条件より { x-1 \gt 0 }

{ x \gt 1 \cdots}

このとき

{ \log_{\frac{1}{3}}{(x-1)} \lt 2 }

{ \log_{\frac{1}{3}}{(x-1)} \lt \log_{\frac{1}{3}}{\dfrac{1}{9}} }

底:{ 0 \lt \dfrac{1}{3} \lt 1 } より

{ x - 1 \gt \dfrac{1}{9} }

{ x \gt \dfrac{10}{9} \cdots}

①、②より

{ x \gt \dfrac{10}{9} \cdots }(答) 

 

解説

(1) では、方程式の右辺を

{ 3 = \log_{2}{8}}

と変形していますが、詳しく書くと

{ 3 = 3 \times 1 }

{ = 3 \times \log_{2}{2} }

{ = \log_{2}{2^3} }

{ = \log_{2}{8} }

です。(2)、(3)、(4)も同じように変形しています。

 

(3) (4) の不等式では、真数条件から①、不等式を解いて②が得られます。

答えは、①と②を同時に満たす {x} なので、解答のように連立不等式を解きます。 

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 

常用対数(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「常用対数」です!

 

常用対数とは

常用対数(じょうようたいすう)とは、底が 10 の対数、つまり

  { \log_{10}{A} }

の形の対数のことです。

 

物理や化学などの「自然科学」では

{ 3800000 }{ 0.00015 }

などのように、とても大きな数やとても小さい数を扱うことがよくあります。

このままだと見にくいし、書くのも大変ですので

{ 3.8 \times 10^6 }{ 1.5 \times 10^{-4}}

のように、底が 10 の指数を使った表し方がよく使われます。

これらの値を計算するときに対数を使うことがありますが、指数の底が10なので対数の底も10にしておくと計算がしやすそうです。ということで、底が 10 の対数がよく用いられる(というか常に用いられる)ことから、底が 10 の対数に「常用対数」という名前が付きました。

 

常用対数表

上記のように、常用対数は自然科学系の学問ではよく使われるので、常用対数の値は細かい値まで求められています。それらをまとめたものが、教科書の巻末にも載っている、下のような「常用対数表」です。

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常用対数表の使い方

では、この「常用対数表」の使い方を説明します。

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例えば { \log_{10}{1.38} } の値を求めたいときには { 1.38 }{1.3}{ 8 } に分け、{ 1.3 } が書いてある行(青い囲み)と { 8 } が書いてある列(オレンジの囲み)の交わったところ(赤い囲み)の数字を読み取ります。「.1399」とは「0.1399」のことですので、{ \log_{10}{1.38} = 0.1399 } です。

同じように { \log_{10}{1.72} } の値を求めたいときには { 1.72 }{1.7}{ 2 } に分け、{ 1.7 } が書いてある行(青い囲み)と { 2 } が書いてある列(オレンジの囲み)の交わったところ(赤い囲み)の数字を読み取ります。よって{ \log_{10}{1.72} = 0.2355 } です。

 

常用対数の値

ここでは、{ \log_{10}{1} } , { \log_{10}{2}} , { \log_{10}{3}} , { \cdots} , { \log_{10}{10} } の値を求めてみます。これらの値は、常用対数の問題でよく使われますので、今のうちに覚えておきましょう。

これらの常用対数の値は

 ① 対数の意味からわかるもの

 ② 問題文で与えられるもの

 ③ 変形して求めるもの

の3つに分かれます。1つずつ見ていきましょう。

 

① 対数の意味からわかるもの

{ \log_{10}{1} }{ \log_{10}{10} } は、対数の意味を考えればすぐにわかります。

{ \log_{a}{b} } とは「{a} を何乗したら {b} になるか」を表す数でしたから

 

{ \log_{10}{1} }

{ = }(10 を何乗したら 1 になるか)

{ = 0 }

 

{ \log_{10}{10}}

{ = }(10 を何乗したら 10 になるか)

{ = 1 }

 

となることがわかります。

② 問題文で与えられるもの

{ \log_{10}{2} = 0.3010 }

{ \log_{10}{3} = 0.4771 }

{ \log_{10}{7} = 0.8451 }

は問題文で与えられます。

③ 変形して求めるもの

①②以外の

{ \log_{10}{4} }{ \log_{10}{5} }{ \log_{10}{6} }{ \log_{10}{8} }{ \log_{10}{9} }

については、次のように変形すると { \log_{10}{2} }{ \log_{10}{3} } で表すことが出来ます。

 

{ \log_{10}{4} }

{ = \log_{10}{2^2} }

{ = 2 \log_{10}{2}}

{ = 2 \times 0.3010}

{ = 0.6020}

 

{ \log_{10}{5}}

{ = \log_{10}{\dfrac{10}{2}} }

{ = \log_{10}{10} - \log_{10}{2} }

{ = 1 - 0.3010 }

{ = 0.6990 }

 

{ \log_{10}{6} }

{ = \log_{10}{(2 \times 3) }}

{ = \log_{10}{2} + \log_{10}{3} }

{ = 0.3010 + 0.4771 }

{ = 0.7781 }

 

{ \log_{10}{8}}

{ = \log_{10}{2^3} }

{ = 3 \log_{10}{2} }

{ = 3 \times 0.3010 }

{ = 0.9030 }

 

{ \log_{10}{9} }

{ = \log_{10}{3^2} }

{ = 2 \log_{10}{3} }

{ = 2 \times 0.4771 }

{ = 0.9542 }

 

まとめ

以上まとめると次のようになります。

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 当然、③(変形して値を求めるもの)が重要です。特に { \log_{10}{5} } の変形は少し特殊な気がしますので、しっかり変形のしかたを覚えておきましょう。

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

桁数問題(対数関数)

こんにちは!

数学の部屋のうちやまです。

今回のテーマは「桁数問題」です!

 

「桁数問題」の解法のPOINT

 「{2^{100} } は何桁の数か」という問題を「桁数問題」といいます。

 

 

例えば、ある数 {A}{3} 桁の数であったとしましょう。このとき

{ 100 \leqq A \lt 1000 }

{ 10^2 \leqq A \lt 10^3 }

が成り立ちます。

 

同じように

{ A }{4} 桁の数なら

{ 1000 \leqq A \lt 10000 }

{ 10^3 \leqq A \lt 10^4 }

 

{ A }{5} 桁の数なら

{ 10000 \leqq A \lt 100000 }

{ 10^4 \leqq A \lt 10^5 }

 

{ A }{6} 桁の数なら

{ 100000 \leqq A \lt 1000000 }

{ 10^5 \leqq A \lt 10^6 }

が成り立つので

 

{ A }{ n } 桁の数なら

{ 10^{n-1} \leqq A \lt 10^n }

が成り立ちます。

 

すると、例えば { 2^{100} }{n} 桁の数なら

{ 10^{n-1} \leqq 2^{100} \lt 10^n \cdots}

が成り立つので、①を満たす {n} を求めれば良いことになります。

 

さて、①を満たす {n} を求めたいのですが、指数の部分に {n} があるのでこのままでは考えにくいです。そこで、①の各辺に { \log_{10} } をくっつける(これを「各辺の常用対数をとる」という言い方をします)と

{ \log_{10}{10^{n-1} } \leqq \log_{10}{2^{100}} \lt \log_{10}{10^n} }

{ n-1 \leqq \log_{10}{2^{100}} \lt n }

が成り立ちます。

よって、後は { \log_{10}{2^{100}} } の値がわかれば、{n} が求まり、桁数がわかります(具体的には下の例題で確認してください)。

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上の「解法のPOINT」を踏まえた上で、{ A } の桁数の求め方」をまとめると

{ \log_{10}{A} } の値を求める

{ n-1 }{ \log_{10}{A} \lt n } の形で表す

{ n } が求める桁数

となります。

 

例題

それでは、例題を解いてみましょう(自分で解けそうな人はやってみましょう)。

問題

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解答

{ \log_{10}{2^{100} } }

{ = 100 \log_{10}{2} }

{ = 100 \times 0.3010 }

{ = 30.1 }

よって

{ 30 \lt \log_{10}{2^{100}} \lt 31 }

より

{ 2^{100}}{31} 桁の数 { \cdots}(答)

 

今回はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!